ヨアヒム=ラフ 交響曲第5番 Op.177「レノーレ」






ヨアヒム=ラフ(1822〜1882)はスイス生まれでドイツで活躍した作曲家で、バーゼルで開いたリスト(1811〜1886)のコンサートを聞いて感銘を受け、そのままリストについてドイツに趣き、そこで作曲家生活を送りました。2022年はラフ生誕200年です。

19世紀のベートーヴェン以降の交響曲作家では、番号のついたものが11曲(11番は未完)、ほかにも「大交響曲」と木管合奏のための「シンフォニ エッタ」を残しており、「0番」と「00番」とか「習作」とかいわれるものを入れてもブルックナー(1824〜1896)が11曲、「大地の歌」と未完の 「10番」を入れてもマーラー(1860〜1911)も11曲なのに対して13曲は抜きんでています。

交響曲第5番「レノーレ」はラフの交響曲で最も知られたもので、ドイツの作家ゴットフリート=アウグスト=ビュルガー(1747〜1794)のバラードを元にした作品です。

三十年戦争(1618〜1648)の時代、主人公レノーレ(レオノーレではありません)は恋人ヴィルヘルムと楽しい時を過ごしていますが、ヴィルヘ ルムは戦争に駆り出され、恋人を失ったレノーレは狂気のうちにやがてヴィルヘルムの亡霊とともに馬に乗って墓場に向かうというものです。

最後の場面はビュルガーの2年後に生まれたゲーテ(1749〜1832)の「魔王」の描写と共通するものを感じます。

曲は第1部「愛の幸福」第2部「別離」第3部「死しての再会」となっていますが、第1部はアレグロの部分とアンダンテ・クァジ・ラルゲットの部分に分かれており、4楽章構成ということもできます。

戦争のもたらす悲劇という点で今日的意義を持った作品です。

曲名 midファイル musファイル
全曲 raff_op177.mid raff_op177.mus
第1部「愛の幸福」アレグロ raff_op177_1.mid raff_op177_1.mus
第1部「愛の幸福」アンダンテ・クァジ・ラルゲット raff_op177_2.mid raff_op177_2.mus
第2部「別離」テンポ・ディ・マルチア raff_op177_3.mid raff_op177_3.mus
第3部「死しての再会-序奏とバラード」アレグロ raff_op177_4.mid raff_op177_4.mus

2022/07/24登録(2023/08/26更新)

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