ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調 Op.67






ルートヴィヒ=ヴァン=ベートーヴェン(1770〜1827)は2020年に生誕250年を迎えたドイツ出身の作曲家で、その第5交響曲はクラシック音楽ファンならずとも、その第1楽章冒頭の21小節までは知らない人がないと言っても過言ではなく、「これぞクラシック音楽」というほどの曲です。

以前メユールの交響曲第1番でとりあげたとおり、この交響曲第5番はベートーヴェンが1808年に作曲したもので、メユールの交響曲第1番と多くの共通点を持っています。私は音楽学者ではないので断定はできませんが、今日では圧倒的に有名なベートーヴェンをメユールが真似たのだろうと思われがちな気がしますが、インターネットはおろか電報も電話もない時代にこの2人に交流があったのかも知れないと思うとワクワクする、とだけ言っておきます。

約50年前、中学生だった私が安物の真空管式の「ポータブル電蓄」なるものを手に入れてカラヤン指揮ベルリン・フィルのLPレコードでこの曲の全曲を初めて聞いた時、第1楽章展開部の、はじめに弦が2音ずつ、次に管が2音ずつを交互に繰り返し、やがて弦と管が1音ずつ応酬する箇所を耳にして、これは現代音楽の先取りではないかと驚いたことを鮮明に覚えています。

数年前から弦楽器に共鳴音を施すようにしだしたのですが、これまでは室内楽に限っていました。この曲がオーケストラで弦に共鳴パートを割り当てた最初の作品になりました。

室内楽では、独奏から弦楽四重奏曲あたりまでなら各弦に対応した共鳴弦を割り当てられるのですが、オーケストラの曲ではそうはいかず、今回は第1と第2のヴァイオリンに1つのパートの各弦を、ヴィオラ、チェロ、バスに1つのパートのMuseでいう1フィンガーに2弦をあてました。もっと編成が大きくなったら弦全体で1つのパートをあてるしかなくなりそうです。

  • 全曲
  • 第1楽章アレグロ・コン・ブリオ
  • 第2楽章アンダンテ・コン・モート
  • 第3楽章アレグロ
  • 第4楽章アレグロ

  • 2020/04/02(2020/09/06更新)

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