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弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 Op.135

ベートーヴェンの音楽世界を太陽系のような小宇宙になぞらえ、第9交響曲を太陽とすれば、ほかの8つの交響曲がその回りの惑星、さらに16曲の弦楽四重奏曲と32曲のピアノソナタが回っている、と、ある人が言っていたのを覚えています。

この3つのジャンルに加えて5つのチェロソナタは、ベートーヴェンの、前期・中期・後期の3時代を網羅しており、それぞれの時期の特徴をよく表しているといわれます。

弦楽四重奏曲は、作品18の6曲が前期、「ラズモフスキーセット」3曲と「ハープ」「セリオーソ」が中期、12番以降の5曲が後期の作品になります。

今回紹介する弦楽四重奏曲第16番は闘病生活の中で書いた、ベートーヴェン最後の弦楽四重奏曲です。

第4楽章には「苦しんだ後の決意」の標題があり、冒頭に序奏と第1主題のそれぞれの動機「Muss es sein?(そうでなければならないか? ――あるいは、間違いないか? ――)」「Es muss sein!(そうでなければならない! ――あるいは、そうに違いない! ――)」の音符が付いていて、その真意をめぐって論議を呼んでいることでも有名です。

全楽章を通じて音域の飛躍が顕著なこの曲は、音符を音の高さと長さ(と音色)だけで表現しているMuseの譜面モニターで見ると、ことに第1楽章は、上下の線対称的な動きが随所に見られることがよくわかります。

ぜひMuseでお聴きください。

midファイル musファイル
全曲 全曲
第1楽章アレグレット ヘ長調 第1楽章アレグレット ヘ長調
第2楽章スケルツォ:ヴィヴァーチェ ヘ長調 第2楽章スケルツォ:ヴィヴァーチェ ヘ長調
第3楽章レント・アッサイ 変ニ長調 第3楽章レント・アッサイ 変ニ長調
第4楽章グラーヴェ ヘ短調〜アレグロ ヘ長調 第4楽章グラーヴェ ヘ短調〜アレグロ ヘ長調

2006/05/08(2006/05/11更新) 入口に戻る
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