協奏交響曲は、18世紀後半のマンハイム楽派の作曲家が好んで作った形式のジャンルで、複数の独奏楽器群とオーケストラによる、協奏曲とも交響曲ともいえるものです。
バロック時代の合奏協奏曲との違いは、ソナタ形式の楽章をもっているかどうかにあるのかもしれません。
ベルリオーズの「交響曲イタリアのハロルド」、ラロの「スペイン交響曲」、ブリテンの「チェロ交響曲」などの例のように、実際には協奏曲なのに「交響曲」と命名された曲もありますので、要は作曲者が協奏交響曲と命名したものが協奏交響曲なわけです。
モーツァルトは協奏交響曲を2曲作曲しましたが、フルート、オーボエ、ファゴット、ホルンのために書いたK.297Bは原稿が喪失してしまい、誰かの編曲によるオーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンのためのK.297bは演奏の機会がしばしばあります。
このヴァイオリンとヴィオラを独奏群とする変ホ長調 K.364は1779年にザルツブルクで作曲したもので、ヴィオラを独奏楽器(群)にもつ協奏的な作品の中でも名曲の1つとして人気のある曲です。
独奏ヴィオラは各弦を半音上げて調弦。ニ長調で記譜されています。これをスコルダトゥーラといい、ギターを弾く人にはおなじみの変則チューニングの一種です。
楽器編成は、オーボエ2本、Es管ホルン2本、ヴァイオリン、ヴィオラ各2群とチェロ・バスに独奏ヴァイオリンと独奏ヴィオラですが、データ作成に使用した、ベーレンライター版に基く音楽之友社版のスコアの解説にならってチェロ・バスパートにファゴットを加えてあります。また、トゥッティの部分は、これもスコアの解説にならって、休符に書かれている場合、第1ヴァイオリン、第1ヴィオラのパートを入力しました。
独奏部ではビブラートをかけていますので、しつこいと感じる場合はソースの#A9と#O9を、削除するか行頭に;を付けてコメントアウトしてください。<0p>
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全曲 | 全曲 |
第1楽章アレグロ・マエストーゾ 変ホ長調 | 第1楽章アレグロ・マエストーゾ 変ホ長調 |
第2楽章アンダンテ ハ短調 | 第2楽章アンダンテ ハ短調 |
第3楽章プレスト 変ホ長調 | 第3楽章プレスト 変ホ長調 |