フルート四重奏曲ト長調K.V.285a

モーツァルトはフルート四重奏曲(フルートと弦楽三重奏のための四重奏曲)を4曲残しています。

そのうちの最も有名なものはニ長調K.V.285で、次に有名なイ長調K.V.298は、最近の研究ではケッヘル番号から想像されるような20代前半の作品ではなく、ウィーンに移り住んだ時代のものらしいとのことです。

以上2曲はどちらも3楽章ですが、K.V285に枝番がついたト長調K.V.285a、ハ長調K.V.285b(最新のケッヘル番号ではAnh.171)は、ともに2楽章で、未完成の感はぬぐえません。

ハ長調の第1楽章はニ長調の第1楽章と出だしが酷似していますので、ここにお届けするト長調K.V.285aは、4曲のフルート四重奏曲の中では最も演奏機会も少なく、目立たない存在といっていいでしょう。

なぜそのような目立たない曲を入力したかというと、地味だから興味をもった、というわけではなく、単に楽譜を入手したからにすぎません。

この曲は私がMuseで本格的に完成させた最初の曲で、その意味でも愛着があります。Museはスコア風な書きかたとパート譜的な書きかたのどちら の記述もできますが、私はもっぱらスコア風の記述をしており、今から見ると、それぞれの小節を揃えるために半角スペースを使っていて、無駄にデータ量を増 やしてしまった感がありますが、当時作ったままをmidファイルにしました。

曲は第1楽章が4分の3拍子、第2楽章が8分の3拍子と、奇しくもシューベルトの未完成交響曲と同じ拍子構成になっています。

ただ、シューベルトのは第1楽章がアレグロ・モデラート、第2楽章がアンダンテ・コン・モートと、速度表示は違うもののほとんど同じ速さであるのに対し て、こちらは第1楽章がアンダンテ、第2楽章がテンポ・ディ・メヌエットで、ゆっくりな第1楽章とメヌエットの第2楽章なので、同じ未完成感からいうと、 シューベルトが後半の2楽章を欠いているのに対して、こちらは両端楽章を欠いている感があります。


2005/01/10(2008/07/07更新) 入口に戻る
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