私が最初に買ったレコードはミュンヒンガー指揮ウィーン・フィルのシューベルトの「未完成交響曲」D759で、ネット検索をしたところLONDON LS5002という型番まで判明した7インチ盤(17cmLPと書いてあったと記憶しています)でした。
小学校6年の時、音楽の先生がシューベルトは死んだわけではなく未完成の交響曲を残したと話したのが気になって買ったのがそのレコードでした。
このレコードのライナー・ノーツにはD759同様未完成に終わったホ長調交響曲D729への言及があり、ワインガルトナーが補筆完成してレコーディングもしたとありました。それが第7番とされ、当時は「未完成交響曲」D759は第8番と言われていました。
このライナー・ノーツを読んで以来50年以上、D729の交響曲については気になっていたのですが、ワインガルトナーの指揮した録音を入手することもなく、気になったままで最近まで来てしまっていました。
最近になってウィキペディア日本語版でD729についての記述が追加され、ペトルッチ楽譜ライブラリー(IMSLP)にスコアがアップされていることを知りました。
この曲は1821年に作曲、オーケストレーションが未完でありながら、曲の最後にはFineと明記されています。
シューベルトにはD729、D759を含めて未完成の交響曲が現在判明しているだけで7曲あり、そのうち「グムンデン・ガスタイン交響曲」はどうやらD944、完成された最後の交響曲らしいとの説が有力らしいので、D729とD759を除くと、どの作品も二長調です。完成させた交響曲でも1番と3番が二長調ですので、シューベルトは二長調交響曲、というよりシャープ2つの交響曲へのこだわりが強かったのでしょうか? ロ短調もシャープ2つです。
ホ長調の交響曲で有名なものはブルックナーの7番ぐらいで、あまり例がありません。シューベルトの「未完成交響曲」D759の第2楽章がホ長調てすが。
スコアの楽器配列は、上から第1第2のヴィイオリン、ヴィオラ、第1フルート、第2フルート、オーボエ、ファゴット、E管ホルン、G管ホルン、トロンボーン、トランペット、ティンパニー、チェロ、コントラバスとなっており、モーツァルトやシューベルトのオーケストラ作品の自筆譜の写真が確か第1と第2ヴァイオリンを最上段に置く配列だったと記憶しています。
ヴァイオリン、ヴィオラについては最上段にあっても間違わずに済むので通常の位置でコーディングしましたが、金管の配列、トランペットとトロンボーンが逆転しているのは混乱しそうなので、このスコアの配列通りに変えてコーディングしました。
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが同音の場合省略記号を用いているのは解るのですが、チェロバスの省略記号がコントラバスではなくチェロに書かれているのがおもしろい。
メロディーしかない部分もありますが、第1楽章序奏部のアダージョはオーケストレーションも完成しており、全曲を通してシューベルトがどういう交響曲を残そうとしたかは味わってもらるのではないかと思います。
曲名 | midファイル | musファイル |
---|---|---|
全曲 | d729.mid | d729.mus |
第1楽章 アダージョ−アレグロ | d729_1.mid | d729_1.mus |
第2楽章 アンダンテ | d729_2.mid | d729_2.mus |
第3楽章 スケルツォ アレグロ | d729_3.mid | d729_3.mus |
第4楽章 アレグロ・ジュスト | d729_4.mid | d729_4.mus |
2021/08/23(2021/12/19更新)
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