チャイコフスキー 運命 Op.77






ピョートル=イリイチ=チャイコフスキー(1840〜1893)の最後の完成作、交響曲第6番はOp.74ですので、Op.77というと第6交響曲より後に作曲したものだろうかと思われるかもしれません。

この曲は解説書によって「交響詩」とも「幻想曲」とも書かれています。彼の28歳の年、1868年に作曲し、翌年モスクワでニコライ=ルービンシュテインの指揮で初演し、好評でしたが、サンクト・ペテルブルグでのミリイ=バラキレフの指揮による再演は不評でした。

チャイコフスキーはこの曲のスコアを破棄してしまい、彼の死の3年後にアレクサンドル=ペトロヴィッチ=ベリャーエフが出版しました。

1868年というと、第1交響曲の初稿から2年目。よく知られた曲ではOp.6「6つの歌」の中の「ただ憧れを知る者だけが」が1869年の作品です。

ベリャーエフの手が加わっていれば別ですが、この曲の随所に後年のたとえば第5交響曲などで使用されるオーケストレーションの妙が見られます。「スラブ行進曲」で出てくる音型が見られるのも興味深いところです。

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2016/12/20 入口に戻る
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